2013年6月16日日曜日

アドテクノロジーの人たちは「広告」を知るべきか?

横山氏が、なかなかエキサイティングなエントリーを掲載している。


アドテクノロジーの人たちが「広告」を知らないということ ~応援しているからこそちょっと厳しいことを言うと・・・~


基本的におっしゃられている事は正しいと思うのだが、「なかのひと」的な目線で言えば少し違った見方も出てくる。

それは、誰に向かって言っているか?という点だ。





別に言うまでも無い話だが、アドテクを名乗っている企業のうち、全てを内製で賄っている組織はいったいどれくらいいるのだろう。

さらに言えば、アドテクを名乗っている企業のうち、プログラム知識も持ち、かつ現場に出て設計・実装が行えるリーダーがいる組織はいったいどれくらいいるのだろう。


その殆どが、協力会社や、オフショア先まで含めたスケールメリットを活かして、開発力を補っているのではあるまいか。

はっきり言って、協力会社や外部ベンダーまで巻き込み、氏が指摘するような「単にプロダクトアウト型の提案をするのではなく、ソリューションを提供するパワー」を全員に求めるのは、沈みゆくタイタニックに残る覚悟を決めた船長に生きることを説得するより難しいように思えてならない。

彼らにとってしてみれば、言われた通りのプロダクトが作れればお金が貰えるわけだし、納入したソフトウェアやミドルウェアが要求を満たすことが最優先で、「「広告」や基本的な「マーケティング」を知る努力」を求めるのは酷だと思うのだ。

そこまで求めるとならば、彼らはいとも簡単に仕事を変えるだろう。彼らにとって忠誠を誓うのは自らの技術であり、勤め先の企業では無い





氏の言うような、「広告コミュニケーションの経験者が、テクノロジーをおぼえるのか、テクノロジー側の人が広告コミュニケーションをおぼえるのか、双方に道があるようにしなければならない」という言葉を、私は実は信用していない。

アレルギーのようなものかもしれない。広告業界の人はサラリと嘘をつく。DNAに刻まれた因縁が、騒いでいるのかもしれない。

エンジニアが広告コミュニケーションを理解することはできても、その逆は無いだろう。アドテク業界でも、その道を歩んでいる人を1人しか知らない。

そもそも、そのテクノロジーというのは何を指すのか。まさか、広告コミュニケーションの経験者が、JAVAの言語でRTBを構築するという話では無かろう。テクノロジーを理解すると、テクノロジーができるには大きな断絶がある。

結局、せいぜいがテクノロジーを覚えたとしても、現場に覚えたての技術用語を取りだして、0.1秒以内にレスポンスを返す為に何とかしろよ!とエンジニアに向かって言うだけではあるまいか。

そして、そういうエンジニアに向かって「あいつ等は所詮、マーケティングを解っていない」と言っているのが現状―そういう見方をしている。





アドテクに働く人間は、マーケティングを知っているべきだろう。しかし、それは一部の、例えばアーキテクチャや、プロダクトマネージャなどの一部の人間だろう。

氏のエントリを読んだ、いわゆる偉い人が、協力会社まで巻き込んでマーケティングの勉強会を開催するような事態にならないことを願う。

彼らが貢献すべき領域はあくまでテクノロジーだからである。


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