2013年5月28日火曜日

「Open Bidder」の破壊性が抜群な件について

2013年5月20日、Googleから発表されたプレス内容があまりに衝撃的過ぎたのか、アドテク業界内で「黙殺」されているように感じるのは気のせいだろうか。

ポツダム宣言じゃあるまいし、こういう時こそ活発な議論が求められる気がするのだが、何を語っていいのか解らないのが現状ではないか。私もそうである。

Announcing Open Bidder [BETA]: A Platform for Real-Time Bidding Innovation

物凄くざっくり言えば、


  1. カスタマイズ可能なDSPがGoogleのクラウド環境上で提供されるZE!
  2. 各人がイケてる入札ロジックを搭載した破壊的なDSPを作れYO!
  3. サーバとかネットワークとかは、Googleが面倒見るZE!
  4. ややこしい部分は気にせず、ロジックに集中しろYO!

だいたいは、この4つに纏められるだろうか。

ちなみに、doubleclick 以外のアドネットワークにも入札可能だそうだ。仔細なプロトコルはこちらのドキュメントが参照になる。


まだ情報が全て公開されていないので、随時、記事は更新して行く。


2013年5月11日土曜日

DMPは「個人情報保護」の壁を超えるか




2012年は、DSP/RTB/SSP一色に染まったアドテク業界だった。
それは横山氏の洞察が見事だったことに尽きると思われる。


ただ昨今、少し過熱気味ではないかと思うこともある。

色んな代理店、ツールベンダーを始めとするアドテク事業者から、湯水のようにそうしたツールが提供されている(中にはOEM提供もあるだろうけど)。市場にそうしたツールが氾濫し、供給過多に陥っている気もする。それは恐らく供給者側が一番感じていることではないか。

「うちもディスプレイ広告やらなきゃ!」と焦る広告主がこの先、どれくらい増えるか解らないのだが、このまま供給過多の状態が続くのだろうか。


もう1つ、気になることがある。

2012年のad:techに参加させて頂き、会社の提供するそうしたサービスを見させて頂いたが、私はあまり違いが解らなかった。
"「枠」から「人」へ"という大義名分は理解できたのだが、では具体的に何が違うのか。

例えば、DoubleClick Ad Exchangeに接続(Real-Time Bidding)するには、プロトコルが完全に仕様として決まっており、差別化のしようがない。
少なくとも根本的な部分では差別化の図り様がない。


Googleが公開しているRTB接続仕様に関するドキュメント
https://developers.google.com/ad-exchange/rtb/?hl=ja


「広告の配信量が違う」と言う人もいるが、配信量が違うと広告主にとって何が嬉しいのかまでは書かれていない。
「CPAの最適化を計る」と言う人もいるが、ディスプレイ広告の配信数/クリック数だけで最適化することを「部分最適」と言わずして何と言うのかと感じてしまう。

一度、各社のツール比較表を作って欲しいとお願いしたことがあるが、それでも違いが解らなかった。

同じ林檎が10個、20個並んでいるように消費者には見えて、生産者が「これは○○の名水を使っている」「これは実が大きくなったらビニールで被せている」と必死にアピールしている―それが2012年のDSP/RTB/SSPを取り巻く現状ではなかったかと中にいて感じている。